新型コロナウィルスの感染が世界的に拡大するなか、世界経済の減速懸念から幅広い市場が調整しました。以下、不動産証券、ハイブリッド証券、上場インフラ株式、天然資源株およびコモディティ市場について、コーヘン＆スティアーズの見解を提示いたします。

要旨
 

• 問題の発端：新型コロナウィルスの流行による渡航、貿易、製造業および景気信頼感などに対する深刻な懸念が、世界的かつ急激な景気後退観測につながり、市場は全面的に調整することとなりました。
• 経済的見解：新型コロナウィルスの感染拡大による経済活動への影響は、どの程度封じ込めが奏功し、どの程度需給へ影響を与えるかによって異なると考えます。コーヘン＆スティアーズでは、感染の拡大に伴い経済成長のリスクは急速に拡大したと考えていますが、仮にパンデミックが世界的な景気後退を引き起こす最悪のシナリオであったとしても、経済活動が再開されるとともに世界景気は迅速に回復すると想定しています。
• 資産クラスに対する見解：コーヘン＆スティアーズでは、予見性高く、契約ベースまたは質の高いキャッシュフローと相対的に高水準の配当利回りから、不動産証券と上場インフラ株式は高い下方硬直性を発揮すると考えます。またハイブリッド証券については、一般的に発行体の景気感応度が抑制され、発行体の多くを占める金融機関のバランスシートも概して健全であることから、今般の市場調整の影響は限定的と見ております。その他天然資源に関しては、銅や亜鉛などのベースメタルが中国における混乱収束と財政刺激策の恩恵を受ける一方で、短期的な需要減の影響から、エネルギー価格の下方圧力は高まっていると見ております。重要なことは、これら天然資源の資産クラスはそれぞれ大きく異なる景気感応度を有すために、セクター間で大きくパフォーマンスが異なる傾向があることです。

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