欧州不動産証券は、健全なファンダメンタルズおよび魅力的なバリュエーションを背景に、金利上昇および経済成長鈍化の環境下においても、良好な相対的実質リターンを提供する可能性が高いと考えています。
要旨
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需給動向はほとんどのセクターにおいて良好であり、高い利益成長予想およびバリュエーションの支援材料となっています。
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インフレ高進の環境下、キャッシュフローのほとんどがインフレに連動する欧州不動産証券は、ヘッジの役割を果たします。
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欧州不動産証券は、伝統的な資産クラスと比較し、スタグフレーション環境下においても、魅力的な水準で安定したインカム収入およびその成長性を提供すると考えています。
ロシア・ウクライナ戦争が不動産に与える影響は 現時点において限定的
ロシアによるウクライナ侵攻は、コモディティ供給ショックを引き起こし、その結果インフレが進行し、2022年の世界経済の成長ペースに対する懸念が高まりました。大陸欧州は、米国や英国よりもロシア・ウクライナのコモディティ依存度が高いため、特に影響を受けています。
上場不動産証券は経済成長率が鈍化し、インフレ率が上昇する時期に、他の伝統的な資産クラスと比較して良好なパフォーマンスを発揮することができるため、欧州不動産証券の見通しにおける最大のアップサイド・リスクはリセッションであると当社は考えています。ユーロ圏のリセッションの可能性は、ロシアからの天然ガスの輸入に大きく左右されます。ほとんどの欧州諸国はロシア産ガスへの依存度を大幅に削減する計画を策定しているものの、エネルギー面でロシアから自立するには何年もかかると思われます。
不動産会社にとって、戦争の影響は間接的なものであり、先行きは景気次第といえます。特に、当該資産クラスには、依然としてパンデミックからの回復による短期的な上昇余地があることから、足元の危機は貴重な買い場を提供すると考えています。
上記の内容は、レポートの一部をまとめたものです。
指数定義
投資家は当資料に記載された指数に直接投資することはできません。指数の実績は手数料や諸経費等を控除したものではありません。ボラティリティやその他の特性が特定の投資とは異なるため、指数の比較には制約があります。
欧州不動産証券:FTSE EPRA Nareit先進国不動産指数:先進国の上場不動産投資信託(REIT)と上場不動産会社で構成される非管理型の時価総額加重総合リターン指数に含まれる欧州企業の値を使用しています。欧州株式:MSCI AC 欧州指数:欧州の先進国15カ国と新興国5カ国の大型・中型企業のパフォーマンスを測定するものです。グローバル不動産証券:FTSE EPRA Nareit 先進国指数:先進国市場の上場不動産証券(REIT)および上場不動産会社で構成される時価総額加重型のトータルリターン指数です。グローバル株式:MSCI ワールド指数:先進国を代表する大・中資本企業のパフォーマンスを測る浮動株調整済み指数(配当源泉徴収税控除後)を使用しています。グローバル債券:ブルームバーグ・グローバル・総合債券指数:世界の投資適格固定金利債券市場の広範な指標です。非上場不動産:NCREIF Fund Index-Open End Diversified Core Equity (NFI-ODCE) は、主に米国資産に焦点を当てたコア投資戦略を追求する36の非上場不動産ファンドの資本金加重、時間加重型指数です。
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