FRB、インフレ、リアル・アセット:足元のマクロ経済環境を特徴づける5つのデータ

FRB、インフレ、リアル・アセット:足‍元のマ‍ク‍ロ経‍済環‍境を特‍徴づ‍け‍る5‍つのデ‍ー‍タ

FRB、インフレ、リアル・アセット:足‍元のマ‍ク‍ロ経‍済環‍境を特‍徴づ‍け‍る5‍つのデ‍ー‍タ

米連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利の動向、雇用統計、インフレ率をはじめとする各種経済指標に市場の注目が集まるなか、当社は短期的な変動に左右される「ノイズ」ではなく、本質的な「シグナル」を見極めることを重視し、足元のマクロ経済環境を特徴づける5つの柱と考える経済成長、インフレ、金融政策、金利、そしてリアル・アセットのパフォーマンスへの影響に注目しています。

これらの要素を総合的に分析と、なぜ今が、上場不動産証券、天然資源株式、コモディティ、上場インフラ株式を組み合わせたリアル・アセットへ資産を配分する魅力的な局面であるかということが、データによって明確に裏付けられています。

1. 米国経済は依然として堅調

直近の雇用統計は下方修正されましたが、足元の失業率は「インフレ率を加速させない失業率(NAIRU:Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)」と概ね一致しており、労働市場は依然として均衡が保たれていると評価されます。

失業率がNAIRU水準にあるということは、労働市場が一般的な認識以上に健全である可能性を示唆しており、完全雇用に近しい状態にあることは、個人消費の底堅さや、賃金・物価上昇圧力の強まりにつながる環境が整いつつあると考えられます。

米労働市場は均衡を維持:NAIRU水準で安定的に推移

2. インフレ率は2%の目標から継続的に乖離

FRBが掲げるインフレ目標は2%ですが、現行の景気サイクルにおいて、この水準を下回る局面は極めて限定的です。実際、2021年以降の6ヶ月ベースでインフレ率が2%を下回ったのは一度のみであり、直近数ヶ月では、6ヶ月および12ヶ月ベースのいずれにおいてもインフレ率がFRBの目標からさらに乖離しています。

米国コアPCEの推移:2%のインフレ目標からの乖離が拡大

3. FRBによる利下げ観測が強まる

市場では、FRBが2025年末までに少なくとも2回の利下げを実施するとの見方が広がっています。この見通しは、7月の雇用統計が市場予想を下回ったことに加え、5月および6月の雇用者数が大幅に下方修正されたことを受けて、急速に強まりました。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、9月の利下げ確率が、統計発表前の約40%から90%超へと急上昇しており、利下げ期待が一段と高まっています。

さらに、ジャクソンホール会合におけるパウエルFRB議長の発言が、市場の利下げ観測を後押しする要因となりました。

フェデラル・ファンド(FF)金利(上限):実績と市場予想

2019年1-3月期‒2026年10-12月期

4. リフレーションによる金利構造変化

当面は、FRBによる利下げの見通しを背景に、実質金利は低下すると予想されます。これは、先行きの金融緩和を市場が織り込みつつあることを反映した動きです。同時に、財政・金融両面での緩和政策によるリフレーション効果や、一部の供給制約に起因する物価上昇圧力を受けて、インフレへの期待を示すブレーク・イーブンインフレ率(BEI)は上昇する可能性が高いと見られます。

フェデラル・ファンド(FF)金利(上限):実績と市場予想

5. リアル・アセットにとって極めて良好な市場環境

実質金利の低下と期待インフレ率の上昇が同時に進行する局面は、リアル・アセットにとって極めて好ましい投資環境であると考えます。

実際、過去の類似局面において、上場不動産証券、天然資源株式、コモディティ、上場インフラ株式を組み合わせたリアル・アセットの分散投資戦略は、6ヶ月ベースの年率平均リターンが19.4%に達しています。なかでも、上場不動産証券がパフォーマンスを牽引しており、米国リートは24.5%、グローバル・リートは24.9%のリターンを記録。天然資源株式は24.0%、上場インフラ株式は22.2%、コモディティは15.5%と、いずれも高水準のリターンを示しています。

10年実質金利およびBEI変化に伴う6ヶ月ベースの年率平均リターン

2002年12月~2025年6月

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