ハイブリッド証券とハイ·イールド債が優れた組み合わせである理由

ハイブリッド証⁠券とハ⁠イ·イ⁠ー⁠ル⁠ド債⁠が優⁠れ⁠た組⁠み合⁠わ⁠せで⁠あ⁠る理⁠由

ハイブリッド証⁠券とハ⁠イ·イ⁠ー⁠ル⁠ド債⁠が優⁠れ⁠た組⁠み合⁠わ⁠せで⁠あ⁠る理⁠由

多くの投資家が利回りを求めて高リスク債券に目を向けていることから、分散投資の重要性が高まっています。魅力的な利回りと、異なる特徴を持つハイ·イールド債とハイブリッド証券を組み合わせることで、伝統的な債券投資を補完できる可能性があります。

  • ハイブリッド証券のインカムは投資適格債券の中でも最も高い水準にあります。
  • 発行体の重複が少ないことから、ハイブリッド証券は、ハイ・イールド債への配分と組み合わせた場合、ポートフォリオの分散効果が高まります。
  • 歴史的に見てバリュエーションが現在魅力的な水準にあるハイブリッド証券は、リスク調整後リターンの向上に寄与する可能性があります。

多様なインカムの源泉

ハイブリッド証券は通常、信用格付けの高い企業により発行されますが、一般的に数ノッチ低格付けの債券と同等の利回りを提供します。ハイ•イールド債の場合、発行体の高い信用リスクがが高いインカムをもたらしています。ハイブリッド証券の投資家は、破綻時の弁済順位の劣後性、つまり、弁済されなかったり、弁済を繰り延べられる可能性(実際には歴史的にまれ)、さらにハイブリッド証券が一般的に有する構造上の複雑性を反映して、相対的に高いインカムを得ることができます。分散投資により損失が防げるわけではありませんが、ハイブリッド証券の特性を生かして投資家のポートフォリオにおける様々なリスクに対するエクスポージャーを分散することができます。

図1
ハイブリッド証券は魅力的なインカムを提供する一方、発行体の信用リスクははるかに低い

平均信用格付けと利回り

セクターによって異なる動き

ハイブリッド証券は通常、金融サービスや公益企業など、厳しく規制されている業界に属する企業や、パイプライン、不動産投資信託(リート)といった実物資産を有し且つ高キャッシュフローを創出する企業、つまりはキャッシュフローの安定性を反映して従来からデフォルト率の低い企業により発行されています。対照的に、ハイ·イールド債市場は一般消費財、資本財•サービス、素材など、景気動向に敏感なセクターへの集中度が高いため、従来からボラティリティが高い傾向にあります。ハイブリッド証券とハイ·イールド債を組み合わせることで、市場の特定分野でストレスが生じても影響を受けにくくなる可能性があります。

従来から、ハイブリッド証券は株式や他の債券に対して大きな分散効果をもたらす相関性を示してきました。その一つの理由は、ハイ·イールド債を含む伝統的な債券市場における発行体が、ハイブリッド証券の発行体と大きく異なることにあります。また、ハイブリッド証券は通常の債券とは異なり、大半の場合、デュレーションの短縮につながるクーポンがリセットする構造を有しており、これがハイブリッド証券の最大の差別化となる特徴となっています。相関性の低さは、ハイブリッド証券がポートフォリオの有効な分散投資の手段となり得ることを示しています。

図2
ハイブリッド証券は債券ポートフォリオに分散効果をもたらし得る

1.3兆ドル規模のハイブリッド証券市場の概要

魅力的な相対価値

ハイ·イールド債とハイブリッド証券のインカムの差異は現在、従来と比べると比較的小さくなっています。さらに、世界のハイブリッド証券市場において存在感が高まっている偶発転換社債(CoCo債)のインカム水準は現在、ハイ·イールド債を上回っています。これは魅力的な相対バリュエーションにおいてハイブリッド証券へ資産を配分する好機であると当社は捉えています。

図3
歴史的に小さい利回りの差異は潜在的な相対価値を示唆

利回り比較

組み合わせて保有することでリターンが向上

相関性が低く、高いリターン特性を考慮すると、ハイブリッド証券への資産配分はハイ·イールド債への投資の有効な分散手段となる可能性があります。ハイ·イールド債とハイブリッド証券を50対50で配分した場合、過去5年間におけるリターンはハイ·イールド債のみに投資した場合のリターンを上回る一方で、ボラティリティは抑制され、結果としてリスク調整後のパフォーマンスは改善しています。

図4
ハイブリッド証券への配分でリスク調整後リターンが向上

パフォーマンス特性(2024年12月31日までの5年間)

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